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第9短評-01 トスカニーニ(1938) [古典音楽]

 もうすぐ12月。日本特有の現象として、第9狂いになる月。

 第9といえば、喜びの歌が有名だが、音楽として純粋に聞いた場合はむしろ他の楽章(1~3楽章)のほうが聞き応えがあるし、実際、ベートーベンの音楽の中でも最高傑作だとおもう。

 第9は何枚も持っているが、時期も時期なので、集中的に聞いてみようと思った。どうせ聞くなら、ブログに短評でも書いてみようと思い、早速書いてみた。

 まず、トスカニーニの「第9」。有名なのは晩年の(50年代の)版だが、今回聞いたのは1938年版。CDには1938年2月8日、ニューヨーク、と書いてある。このCDは、もしかしたら再販されていないかもしれない。

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」@トスカニーニ/NBCso. ニューヨーク・スコラ・カンム ボビー(S)ピアース(T)他

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」@トスカニーニ/NBCso. ニューヨーク・スコラ・カンム ボビー(S)ピアース(T)他

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード株式会社
  • 発売日: 1992/12/24
  • メディア: CD


 トスカニーニ自体、実はかなり久々(5年ぶりくらい)に聞いた。

 やはり、この人は「炎の指揮者」だ。録音年代からしても、最近のステレオ録音に比べればかなり乏しいモノであり、一部音源に起因すると思われる音の歪みもあるが、途中から全く気にならなくなる。彼の常としてテンポは早めだが、途中まで聞いてやめる、などということは出来なくなる。本当に魂のこもった演奏で、好悪を越えた音楽があるように感じた。

 以前から書いているように、僕はムラヴィンスキーの指揮が最高だと思っているが、ムラヴィンスキーもトスカニーニも系列としては似ている。ムラヴィンスキーの「第9」音源は聞いたことがない(資料によると、指揮したことはあるらしい)が、似たかんじなのかもしれない。


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今日は何の日~ショスタコーヴィチ交響曲第5番「革命」初演から70年 [古典音楽]

 ショスタコーヴィチにとっても、ムラヴィンスキーにとっても、またクラシック界にとっても記念すべき1日。

 ショスタコーヴィチにとっては、オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」で批判を受け、公開直前の交響曲第4番を封印し、名誉回復のために臨んだ第5。当時、ムラヴィンスキーはまだまだ新人だったが、この曲の成功が世界的な名声の第一歩と言っていいだろう。クラシック界にとっては、久々の(最後の?)名曲登場・・・・といっても、もう70年たつのね。

 この曲に関しては、以前も紹介したが、以前ロシアンディスクから出ていたものがベスト。


ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/サルマノフ:交響曲第2番 ムラヴィンスキー/レニングラードpo.

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/サルマノフ:交響曲第2番 ムラヴィンスキー/レニングラードpo.

  • アーティスト: ショスタコーヴィチ, サルマノフ, エフゲニー・ムラヴィンスキー, レニングラードpo.
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 1994/09/21
  • メディア: CD




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マルティノンの悲愴 [古典音楽]

 某所で好評だったので、聞いてみた。

チャイコフスキー : 交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」 / ボロディン : 交響#曲第2番 ロ短調

チャイコフスキー : 交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」 / ボロディン : 交響#曲第2番 ロ短調

  • アーティスト: マルティノン(ジャン), チャイコフスキー, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ボロディン, ロンドン交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2001/04/25
  • メディア: CD

 第2楽章は良かったけど、そのほかは・・・・僕にはあわなかった。音楽的だが、芸術的でない、といったら語弊があるだろうか。第4楽章も、もっとじっくり演奏してくれた方が僕の好みだ。

 カップリングのボロディンは・・・・よく分からなかった。


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バックハウスの命日 [古典音楽]

 今日は、バックハウスの命日。

 バックハウス・・・・特徴があるようなないような、説明するのが難しいピアニスト。ただ、僕にとっては最高のピアニストだ。

 ベートーヴェンが最も有名であろうが、バッハ、ハイドン、モーツァルト、シューベルト、ショパン、ブラームス・・・・どれもこれもとてもよい。バックハウスを聞いてしまうと、他のピアニストの演奏がなんだかとても作為的というか、わざとらしく感じてしまう。

 どこかのウイスキーのキャッチコピーではないが、「何も足さない、何も引かない」という体だ。そういうバックハウスの演奏は、結局曲本来が持っている力がそのまま示されるのではないかと思う。

 前にも書いたかもしれないが、ピアノはバックハウス以外はほとんど聞かない。バックハウスが演奏を残していない曲は若干聴くが・・・どれくらいのものがCD化されているのかは別として、バックハウスはかなり大量の録音が残っている。世の中にレコーディングというものが登場した、かなり初期からバックハウスは録音をしているのだ。(1908年のものもある)若い頃の録音には、後年(ステレオ時代)に録音を残していないものも多く、なかなか興味深い。いろいろなレーベルから発売されているので、それらも是非おすすめしたい。

 とはいえ、やはりステレオ時代に録音された者の方が聞きやすいのは確かだ。以前、ハイドンリサイタルは紹介したような気がするので、今回はバッハリサイタルを紹介する。ハイドンと同様、バッハも何度聞いても飽きがこない。BGMとして聞くもよし、音楽に没頭してじっくり聞くもよし。

 

バッハ・リサイタル

バッハ・リサイタル

  • アーティスト: バックハウス(ウィルヘルム), バッハ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 1997/09/10
  • メディア: CD


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チェリビダッケのブラ4 [古典音楽]

 ひさびさに・・・・ブログに記事が書ける。いろいろ書くことはあるのだが。

 まず・・・・最近、altusから発売された、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル1986年来日ライヴシリーズ第3弾の、ブラームス第4番を購入して聞いた。(リンクはHMV)

 前評判はなかなかだったが・・・・個人的には×。

 ま、これは、僕の体にムラヴィンスキーのブラ4が染みついているせいもあると思うのだが。

 全体的には、とても退屈だった。聴き通すのが苦痛だった。全楽章に言えることだが、鈍いというか何というか・・・・・各楽章ごとに個人的感想を述べてみたいと思う。

 まず、第1楽章。最初3/4は、なんか練習しているみたい。音楽の香りをほとんど感じなかった。各パートが、練習するかのように吹き(弾き)まくっている印象を受けた。ときどき極端な強弱を付けているが、僕の趣味には合わなかった。これは録音のせいかもしれないが・・・・全ての音が入りすぎているというか、とても騒々しく感じた。

 第2楽章は・・・・・とてもゆっくりだ。たとえるのなら、これも練習みたい。どこまでゆっくり演奏できるか試しているみたい。ムラヴィンスキーの場合は、この第2楽章をとても素早く通り過ぎてしまうのだが、この楽章はこの曲の中で白眉のできであるため、個人的にもっとゆっくりゆっくり演奏したものも聞きたい、という願望は持っていたのだが・・・・・これはゆっくりすぎ。というか、ゆっくり鳴らしているだけにしか聞こえない。芸術性を感じなかった。最後の最後でようやく良くなった気がしたが、それはこの演奏に少し慣れたせいかもしれない。
 もしかしたら、もう1回聞けば良さが分かる、という類なのかもしれない(もしそうであればレコード向きの演奏?)が、私は反対。音楽は一期一会。1回聞いて、駄目なら駄目。もう1回聞こうとは思わない。

 第3楽章は、この演奏の中では最も聞きやすい楽章だった。

 第4楽章は・・・・はやいなぁ。もっとゆっくり演奏すればいいのに。第2楽章の次にイイ楽章だと思っているので、この楽章もじっくり聞いてみたいなぁ、と思っているが、なかなかイイ演奏がない。

 ・・・・・期待していただけに、とても残念だった。


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ムラヴィンスキー氏の誕生日 [古典音楽]

 今日は、ムラヴィンスキー氏の誕生日です。

 朝、内海からの通勤時にも、iPodでショスタコーヴィチの5番とチャイコフスキーの5番を聞いていました。彼は、ショスタコーヴィチの5番とチャイコフスキーの5番の演奏機会が最も多く、同曲異録音も多数存在しますが、僕にとってショスタコーヴィチの5番のNo.1は以前RussianDiscから発売され、国内でも一時期キングレコードから発売された、1966年録音といわれるものです。(この録音年には疑問が指摘されていますが)

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/サルマノフ:交響曲第2番 ムラヴィンスキー/レニングラードpo.

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/サルマノフ:交響曲第2番 ムラヴィンスキー/レニングラードpo.

  • アーティスト: ショスタコーヴィチ, サルマノフ, エフゲニー・ムラヴィンスキー, レニングラードpo.
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 1994/09/21
  • メディア: CD


 発売から10数年、alutus/NHKのCDなど、多くの録音が発売されましたが、これを超えるものはまだ現れていません。


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のだめ に おもうこと [古典音楽]

 コメントもいただきましたので・・・・・・雑感を

 まんがも、ドラマも、アニメも、全く見たことありません。

 でも、普通に生活してきても人気ぶりは聞こえてくるし、クラシックの売り場に行けば、いやでもソフトがおいてあるから・・・・

 ベト7がキーなんですか?ソフトの1曲目が、ベト7の第2楽章でしたね。

 ベートーヴェンでは、日本の場合おそらく第9と第5「運命」がメジャーどころでしょうが、オケをメインに据えた場合、第9では一般的とは言えない(普通の人は「歓喜の歌」しかしら内から、歌がメインならいけるけどオケメインに語るには一般的でない、という意味)し、「運命」は悪くはないけど、楽想が激しすぎて長編に持って行けない(「運命」だけ完璧にやっておしまい、という短編ならアリかも)。
 第7は一般的ではないが、聞いてもらえれば、ベートーヴェンの交響曲の中では比較的取っつきやすいですから、正しい選択といえるでしょう。

 イロイロいう人はいるかもしれないですが、どのような理由であれ、裾野が広がるという意味で、個人的には嬉しいことです。とりあえず、聞いてもらわなくちゃ、良さも分かってもらえないでしょうから・・・・。

 良いと思った人には、いろいろ聞いてもらいたいですね。演奏家によって印象が全く異なる、というのは、他のジャンルの音楽ではなかなか無いことですが(カバー曲を聴くことなどで少しは分かるかな?)違いが分かり、お気に入りが見つかるようにいなっていけば、ぐっと世界が広がりますよ・・・・


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今日はムラヴィンスキーの命日 [古典音楽]

 はや、19年か・・・・


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ターリヒの「悲愴」 [古典音楽]

 ヴァツラフ・ターリヒ、といっても、知っている人の方が少ないのかもしれないが・・・・チェコ指揮者界の英雄だ。ムラヴィンスキーとも親交があったらしい。(ターリヒの方が20年上)

 そんなターリヒが指揮した「悲愴」をこのたび購入したので、早速聞いてみた。(このCDのブックレットには、ターリヒとムラヴィンスキー、ショウスタコーヴィチが一緒に写っている写真が掲載されている)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1371917

 モノラル録音だが・・・一瞬、ムラヴィンスキーを聞いているのか、と勘違いしてしまうくらい似ている。(長幼からいうと、ムラヴィンスキーがターリヒに似ている、というべきか) ムラヴィンスキーはターリヒを敬愛していた、というのをどこかで読んだことがあるが、指揮者として少なからず影響を受けたところがあったのかもしれない。

 第1楽章の慟哭部分などは、むしろターリヒの方が僕の好み。第2/第3楽章は甲乙付けがたい。第4楽章は、ムラヴィンスキーの方が上かな。

 ターリヒとムラヴィンスキーには「ターリヒが指揮するチェコpoの演奏するドヴォルザークを聴いたエフゲニー・ムラヴィンスキーはそのすばらしさに感嘆し、その後ドヴォルザークを演奏しなかった」などという逸話もあるらしい。今度は是非そのドヴォルザークを聴いてみたいと思う。(2007年発売予定)

 


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チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」 [古典音楽]

 チャイコフスキー後期交響曲で、最後にハマッタのは「悲愴」。
 この楽曲は、人の人生を、人の一生を感じさせるものがある。ロマンチックの要素が満載されており、いま一番ハマっている曲の1つだ。
 これまでと違い、これは推薦盤を一番最初に紹介したい。これは、文句なしにグラモフォンのステレオ盤だ。これは第4番で薦めたのと同じ盤だ。(以下、時間表示はこの盤に準じる)

チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番、第6番「悲愴」

チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番、第6番「悲愴」

  • アーティスト: ムラヴィンスキー(エフゲニ), レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団, チャイコフスキー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2001/10/24
  • メディア: CD

 第1楽章は第5番と同じく、仄暗い管の演奏で始まる。しかし、もっと暗い。暗い、と言い切ってしまってもいいが、僕としてはこの楽章の前半、といっても(4:10)くらいまでは、ベートーベンの「合唱付き」の始まりと対比したい。チャイコフスキー風の、生命の誕生の表現、といってしまっては言い過ぎだろうか? 芽吹きと、その後のぐんぐんとした成長を表現しているようだ。
 (4:10)以降は、ベートーヴェンの「田園」の第3楽章以降と比較したい。(4:10)から慟哭が始まる前の(9:00)くらいまでは、チャイコフスキーの交響曲の中ではおそらく一番美しい旋律なのではないだろうか。美しい旋律が展開される、という意味でも「田園」の第3楽章と似ている。油断していると、鼻歌で口ずさんでしまうくらい、美しい。生命の若々しさと、それらが持っている一種の物悲しさを美しく表現している。
 (9:00)くらいからは、この楽章は全く異なる表情を見せる。ベートーベンの「田園」第4楽章の嵐と比較にならないくらいの変貌ぶりだ。まるで、運命の変転とそれに伴う慟哭を表現しているようだ。特に(12:30)以降の「弦による上昇テーマ」と「管による下降テーマ」の掛け合いによる慟哭表現には、いつ聞いても圧倒される。特にムラヴィンスキーのこの盤は演奏が一糸乱れず、表現をより助長している。ちなみに、この表現方法は「第5」の第2楽章の最後でも試されている(もっとも、第5の方はテーマ表現の高揚効果に使用されている)ように思う。
 (13:40)くらいからは、再びあの美しいテーマ帰ってくる。平穏で、美しい日常が帰ってくるのだ。

 第2楽章は、違うアプローチで平穏な日常が綴られているようだ。第1楽章よりも力強い、青年期から壮年期の、もっとも充実した日常を表現しているようだ。しかし、その中にも(2:24)くらいから(4:54)くらいまでの弦演奏には、一筋の物悲しさがうまく表現されている。

 第3楽章は、まさに人生の勝利を高らかに歌い上げたファンファーレと言っていいだろう。第5の最終楽章よりも凄まじい。しかし、この楽章は太鼓の強奏により打ち切って終わる。

 第4楽章は、これまでの3楽章と全く異なる。「悲愴」のタイトルのもとになった楽章であろう。冒頭に出てくる、弦により悲しく奏でられるテーマに、時々短く奏される管の響きが、ため息のように聞こえる。このように聞こえるのはムラヴィンスキー盤だけだ。この感じがムラヴィンスキー盤を、僕の中で極上のものにしている。ムラヴィンスキー盤以外では感じることができない感覚だ。この掛け合いはその後も何回も出てくるが、これが出てくるたびに恍惚としてしまう。
 第1楽章の慟哭とは異なり、まさに悲愴感。しかし(7:20)くらいに叩かれる1発で、その想念も吹っ切れてしまい、終焉に向かってしまう。演奏自体はだんだんと遅くなっていく。それまで聞かれたため息も、もう聞かれない。最後のピッチカートは心臓音の停止のようだ・・・・。

 以前、朝比奈先生の本で、故岩城宏之氏が第3楽章と第4楽章とを逆にして演奏したことがある、と読んだことがあるが、それには反対だ。そんなのは「悲愴」じゃない。

 さて、「悲愴」はいろいろ聞いているが、現時点での次点は、フリッチャイのステレオ盤だ。

チャイコフスキー : 交響曲第6番ロ短調<悲愴>

チャイコフスキー : 交響曲第6番ロ短調<悲愴>

  • アーティスト: フリッチャイ(フェレンツ), ベルリン放送交響楽団, チャイコフスキー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 1996/04/25
  • メディア: CD

 ムラヴィンスキーとは表現は異なるが、聴き応えのある演奏である。


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