ウィーンのムラヴィンスキー再評価2 革命 [古典音楽]
ショスタコーヴィチ 第5「革命」
ブラームス 第2
チャイコフスキー 第5
の3枚があるが、このうち、あとは「革命」を紹介しよう。
「未完成」とおなじで、ホール(ムジークフェラインザーク)のせいか、柔らかい感じの音だ。悪く言えば、ちょっとこもった感じ。
他の録音と比べても、音質はよい方だと思う。絶品は第3楽章。ダイナミックレンジが広いせいか、それまで音を絞って聞いていると、でだしが聞こえないかもしれない。しかし・・・なんと美しい音(音楽)だろう、とおもう。時代背景なんて関係ない。カラヤンじゃなくても、こういうのを聞いちゃったら自分じゃ振れない(超えられない)と思うだろう。
祝!ムラヴィンスキー氏生誕105年~ウィーンのムラヴィンスキー再評価1 未完成 [古典音楽]
で、生誕105年を記念して、というわけではないが、ムラヴィンスキー氏の録音として古くから知られている「ウィーンのムラヴィンスキー」シリーズについて、紹介しようと思う。
最近、日本公演のプライベート録音など、最近、ムラヴィンスキーの録音は数多く発売されているが、「ウィーンのムラヴィンスキー」とは、録音がまだ少なかったムラヴィンスキーが生きていた頃も発売されていたもので、1978年6月のウィーン芸術週間に、レニングラードフィルがウィーンのムジークフェライン・ザールで開いたコンサートを収録したものだ。このコンサートは、テレビ録画もされているはず(大学時代、レコ芸に小さな広告を出していたトコロから、全曲のダビングビデオテープを10万で買わないか、と打診されたことがあったが、当時は金がなく、手が出なかった)・・・・なので、将来、発売されるといいなぁ、と思っている。
CDでは4枚、発売されているが、そのうち、個人的にもっとも気に入っている「未完成」のCDを紹介しよう。
これは、僕のCD購入歴にとっても初期のもの(ムラヴィンスキーのCDとしては5枚目以内)で、思い入れが深い。
ムラヴィンスキーの「未完成」には、ほぼ同じ時期、1978年4月にレニングラードで録音されたCDも存在する。
どちらがよいか、というと、甲乙つけがたい。絶対選べ、といわれたら、レニングラードの録音(後者)になるのだが。
ウィーンの録音(前者)はレニングラードの録音に比べて、熱い。シューベルトの本場ウィーン、ということで、ムラヴィンスキーも楽員も燃えているのだろうか?レニングラードの録音は、「上善水の如し」という感じで、冷徹の中にも熱い情熱が封じ込まれている感じだが、ウィーンの録音は、情熱がほとばしりすぎて表面にも現れている感じだ。どっちがいいか、というと、人によって評価が分かれるだろう。
ちなみに、録音(音質)はかなりよい。ウィーンの録音は、ホールのせいか、音の反響があり、悪く言えばちょっとこもった感じがしないでもないが、聞いているうちに気にならなくなる。
カップリングのウェーバー「オベロン」も熱い。後者のCDにも「オベロン」がカップリングされているが、録音時期はちょっと後の1982年1月。「未完成」と同じことが言える。
思わぬところで・・・・ムラヴィンスキー氏 [古典音楽]
といっても、動画ではなく・・・・モスクワのCDショップでの売り上げランキングに登場。
氏は、4位で登場。モノラル版(しかないが)の「レニングラード」だ。
ちなみに1位は、ゲルギエフ氏だった。
今日は・・・・バックハウス生誕124年 [古典音楽]
第9短評-15 テンシュテット(1985) [古典音楽]
15個目は、テンシュテット&ロンドンフィル。BBCクラシックス。
- アーティスト: テンシュテット(クラウス), ヘガンデル(マリ・アンネ), ホジソン(アルフレーダ), ティアー(ロバート), ハウエル(グウィン), ロンドン・フィルハーモニー合唱団, ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団, ベートーヴェン
- 出版社/メーカー: キング・インターナショナル
- 発売日: 2005/06/22
- メディア: CD
びっくりしたのが・・・・テンポの取り方がフルトヴェングラー&バイロイトとほとんど同じのこと。第2楽章の素早さも、第4楽章Prestissimoの荒れ狂い方も・・・全くフルトヴェングラー的だ。個人的にフルトヴェングラー的なのはあまり好きではないのもあるが・・・・ステレオ版のフルトヴェングラー!とまで言い切れないのも残念かな。せっかくなので、もうちょっと個性が見えると良かったのだが。
第9短評-14 フルトヴェングラー&バイロイト(1951) [古典音楽]
久々だが・・・14個目は、フルトヴェングラー&バイロイト。名盤として語り継がれているものの1つだ。HMVのものをオタケンレコードで販売したものだ。
この版は、あらゆるパターンで販売されており、個人的にも同音源異版の2枚目だ。フルヴェンファンの方は、もっと多く持っておられると思う。
今回、改めて聴いてみたわけだが、第2楽章が想像以上に早い。トスカニーニと異なり、大きくテンポを動かすタイプの指揮者だからであろう。(実際、第2楽章以外は基本的にスローテンポ)
しかし、いつ聴いてもこの人のPrestissimoは・・・・・荒れ狂ってるなぁ。記憶にある以上に非道い。上滑りしてるもんなぁ。初めて聴いたときは「おお、すげ~」となるが、やがて飽きちゃうんだよねぇ。
追悼・・・ムラヴィンスキー氏の命日 [古典音楽]
今日はムラヴィンスキー氏が他界されてから20年です。
追悼の意味も込めて、ショスタコーヴィチ、チャイコフスキーなどのロシアものや、ベートーヴェン、ブラームスなどのドイツものを聴いています・・・・・
第9短評-13 朝比奈隆(2000)~朝比奈先生7回忌 [古典音楽]
13個目は、(個人的所有の中で)最後に残った朝比奈先生。
- アーティスト: 朝比奈隆, 菅英三子, 伊原直子, 福井敬, 多田羅迪夫, 大阪フィルハーモニー合唱団, 大阪フィルハーモニー交響楽団, 岩城拓也, ベートーヴェン
- 出版社/メーカー: オクタヴィアレコード
- 発売日: 2001/05/23
- メディア: CD
エキシトンから出ていた2枚組のCD。亡くなるちょうど1年前、2000年の年末のライブだ。連日の演奏が1枚ずつ収録されている。
1日しか違わないが、全く違う演奏スタイルだ。演奏時間も全く異なり、1枚目の29日が早く、30日が遅い。甲乙付けがたい。完全に好みの問題だと思う。
個人的には、バリトンや合唱部分の録音のされ方がいまいちかな、とおもう。
どうも、年の最後は朝比奈先生の話になってしまう・・・・
第9短評-12 フリッチャイ(1957) [古典音楽]
12個目は、フリッチャイ&BPO。グラモフォン
- アーティスト: ゼーフリート(イルムガルト), フォレスター(モーリーン), ヘフリガー(エルンスト), フィッシャー=ディースカウ(デートリッヒ), 聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, フリッチャイ(フェレンツ), ベートーヴェン
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1997/12/03
- メディア: CD
データを見ると、1957/12,1958/1,4と書いてある。なんだかな?という感じ。
さて、聴いてみると・・・立派な演奏だ。全体的にはゆっくりとしたテンポ。だが・・・・これまでいろいろ聴いてくると、なんというか、あまり特徴のない演奏だなぁ、というふうに感じていた。第4楽章までは。
第4楽章。管弦楽部分~バリトン独唱の”O Freunde, nicht diese Töne!”~それに続く合唱部は、それまでの演奏と同じ、ジックリとしたテンポだ。
で、Allegro assai vivace,Alla marcia ・・・・・え、何?このテンポ。急に再生ピッチが変わったみたいに早くなった。そして、その速いテンポのまま最後まで。エラいロングスパートだ。
だけど・・・・・・・・・・・・・・・個人的にこれには賛成しかねる。ここまでの演奏が素晴らしかっただけに、とても残念だった。
第9短評-11 クレンペラー(1957) [古典音楽]
11個目は、クレンペラー&フィルハーモニア。EMI。
- アーティスト: レーブベリ(オーセ・ノルドモ), フィルハーモニア合唱団, ルートビッヒ(クリスタ), ホッター(ハンス), クメント(ワルデマール), フィルハーモニア管弦楽団, クレンペラー(オットー), ベートーヴェン
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1999/12/08
- メディア: CD
EMIには正規録音があるが、これはそれとは別テイクの、ライブ録音。正規盤の方は持っていなかったりして^^;
このCDを聴いていて感じるのは、録音の具合かもしれないが、打楽器(ティンパニー)がとても効果的に聞こえることだ。いやな感じはしない。もともと、ベートーヴェンの交響曲の中においてティンパニーは存在感のあるがっきだから、当然といえば当然だが。
演奏自体は、ジックリとしたもので大変格調高い。そして第4楽章最後のPrestissimo、大抵の指揮者がフルトヴェングラーよろしく荒れ狂うように演奏しがちなところも、むしろテンポを押さえて堂々と演奏・・・・ん~ちょっとテンポが不安定に揺れるのが気になる、かな。